今月も Visual Studio Code の新バージョンがリリースされました。さっそくリリースノートをチェックしていきましょう。
目次
リリースダイジェスト
Visual Studio Code のバージョン1.131〜1.133がリリースされました。
| バージョン | 変更点 | 変更内容 |
|---|---|---|
| 1.131 | サブエージェントの可視化 | 複雑なタスクを並行処理するサブエージェントの稼働状況(使用モデル、経過時間、実行中のツール)をAgentsウィンドウから確認可能になりました。 |
| 1.131 | Agent Hostのアーキテクチャ刷新 | エージェントを専用プロセスで実行する仕組みを導入し、一つのセッションを複数のVS Codeウィンドウで共有・表示できるようになりました。 |
| 1.131 | 組み込みディクテーション (実験的) | 拡張機能なしでチャット、エディタ、ターミナルでの音声入力が可能になりました(オフラインモデルNemotronを使用)。 |
| 1.131 | ハイブリッド Markdown エディタ (実験的) | Agentsウィンドウ内でMarkdownを直接閲覧・編集でき、エージェントが実行可能なコメントを追加できるようになりました。 |
| 1.131 | VS Code Pet (実験的) | チャットで /vscode-pet と入力すると、新しいコンパニオン(ペット)と出会える遊び心のある機能が追加されました。 |
| 1.131 | ターミナルのアクセシビリティ改善 | スクリーンリーダー利用者のために、カーソル位置の保持や割り込みの少ない通知形式(ARIA status)が導入されました。 |
| 1.131 | Python環境管理の最適化 | プロジェクトの起動速度向上やConda環境の検出遅延改善など、環境管理エクスペリエンスのパフォーマンスが向上しました。 |
| 1.132 | ライブステータス・ピル | チャット入力欄の上に、エージェントの進捗(変更要約、サブエージェントの動き、ブラウザ操作など)をリアルタイム表示します。 |
| 1.132 | サイドチャット (/btw) | 現在の文脈を維持したまま、作業を中断せずに別の質問ができるサイドチャット機能が追加されました。 |
| 1.132 | マルチリンガル音声入力 (Dictation) | デバイス上のモデルを使用し、複数言語への対応、言語自動検出、プロジェクト固有用語のカスタマイズが可能になりました。 |
| 1.132 | シェルを意識した音声入力 | ターミナルでの音声入力において、シェル構文を理解したクリーンアップ(例:「dash m」を「-m」に変換)が行われます。 |
| 1.132 | 統合ブラウザでのコメント機能 | 内蔵ブラウザ内の特定のWeb要素を選択し、エージェントへのフィードバックとして直接コメントを追加できるようになりました。 |
| 1.133 | Claudeモデルプロバイダーの切り替え | Claudeとのチャット中、設定をやり直すことなく、ターンごとにAPIキー使用かCopilot利用かを切り替えられるようになりました。 |
| 1.133 | GitHubサインインなしでのAgents利用 (実験的) | GitHubを利用していない環境でも、既存のAPIキーを使用してClaudeを利用できるようになりました。 |
| 1.133 | プロンプトのスティッキースクロール | 長い会話のスクロール中、現在どのプロンプトに対する回答かを見失わないよう、プロンプトをチャット上部に固定できるようになりました。 |
| 1.133 | 内蔵ブラウザでのHTML自動リロード | 内蔵ブラウザで開いているローカルHTMLファイルが保存されると、自動的にリフレッシュされるようになりました。 |
https://code.visualstudio.com/updates/v1_131
https://code.visualstudio.com/updates/v1_132
https://code.visualstudio.com/updates/v1_133
ピックアップ
VS Code 1.131〜1.133:エージェント実行基盤の可視化と文脈維持の強化
Visual Studio Codeの1.131から1.133にかけての更新では、自律的に動くエージェントの状態をどう観測し、どう共有するかという点に一貫して手が入れられている。1.131で導入されたサブエージェントの可視化は、複雑なタスクを並行処理する際に使用モデルや実行中のツール、経過時間をAgentsウィンドウ上から確認できるようにしたもので、会話を開かずとも裏側の処理状況を追える形になった。同時に導入されたAgent Hostは、エージェントを専用プロセスとして実行する仕組みで、1.132では複数のVS Codeウィンドウから同一セッションへ接続できるところまで広がり、Copilot SDKとの連携も強化されている。これに伴いAgentsウィンドウ自体も、複数のエージェントセッションを開始・監視できる専用のスペースとして整備され、チャット入力欄の上にはライブステータス・ピルが表示されるようになった。ここには変更内容の要約やプレビュー、サブエージェントの動き、ブラウザ操作といった進捗がリアルタイムで反映され、Agentsウィンドウ内のドロップダウンからは通常のテキストエディタとdiffエディタを切り替えられるようにもなっている。
1.133では、Claudeとのセッションにおいてターンごとにモデルプロバイダーを切り替えられるようになり、Anthropicの APIキーを使うか、GitHub Copilotのサブスクリプションを使うかを、エージェントホストの設定をやり直すことなく選べるようになった。あわせて、GitHubへのサインインを前提としない形でAgentsウィンドウを利用できる実験的な機能も加わり、既存のAPIキーさえあればGitHubアカウントに依存せずClaudeを動かせるようになっている。
エディタ体験の面では、Agentsウィンドウ内でMarkdownファイルを直接閲覧・編集でき、エージェントが実行可能なコメントを追加できるハイブリッドMarkdownエディタが実験的機能として導入され、1.132ではレンダリングされた表示のままdiffを確認できるところまで進んだ。統合ブラウザでも、特定のWeb要素を選択してエージェントへのフィードバックとしてコメントを直接追加できる機能が加わり、1.133ではローカルのHTMLファイルを保存すると内蔵ブラウザが自動的にリフレッシュされるようになった。これにより、エージェントによる編集内容や自身の変更を、確認のための手動操作を挟まずその場でプレビューできるようになっている。
チャット周りでは、1.132で現在の文脈を維持したまま別の質問ができるサイドチャット(/btw)が加わり、チャット内のターミナル出力もウィンドウサイズに応じて自動的に幅を調整するようになった。1.133ではプロンプトのスティッキースクロールが導入され、長い会話をスクロールしていても、対応するプロンプトが上部に固定表示されるため、今どのやり取りに対する応答を見ているのかを見失いにくくなっている。固定されたプロンプトは選択することで元の位置へ戻ることもできる。
入力手段としては、1.131で拡張機能を別途インストールすることなく使える組み込みディクテーションが実験的機能として登場し、チャット・エディタ・ターミナルの各入力欄で音声入力ができるようになった。オフラインで動作するNemotronベースのモデルが使われており、1.132ではNemotron 3.5をベースに複数言語への対応や言語の自動検出、プロジェクト固有の用語を反映させるカスタマイズ機能が加わっている。ターミナルでの音声入力については、シェル構文を理解したクリーンアップが行われるようになり、「git commit dash m」と発話すれば正しく-mとして入力される。
アクセシビリティに関しては、1.131でターミナルのスクリーンリーダー対応が強化され、出力が更新されてもカーソル位置が保持されるようになったほか、割り込みの少ないARIA status announcementによる通知が導入された。あわせて、ターミナルのリサイズ時に表示される列・行数のオーバーレイも設定で非表示にできるようになっている。
Pythonについては、1.131で環境管理エクスペリエンスの完全ロールアウトが行われ、プロジェクトの起動速度やConda環境の検出遅延、環境スキャンの一括処理といった点でパフォーマンスが改善された。派手な変更ではないものの、エージェントを介した実行が増える環境において、基盤側の待ち時間を抑える調整として位置づけられる。
