とことんDevOps | 日本仮想化技術のDevOps技術情報メディア

DevOpsに関連する技術情報を幅広く提供していきます。

日本仮想化技術がお届けする「とことんDevOps」では、DevOpsに関する技術情報や、日々のDevOps業務の中での検証結果、TipsなどDevOpsのお役立ち情報をお届けします。
主なテーマ: DevOps、CI/CD、コンテナ開発、IaCなど

開催予定の勉強会

読者登録と各種SNSのフォローもよろしくお願いいたします。

WindowsでRancher Desktopを使うには

MacでRancher Desktopを使うには、インストーラーをダウンロードしてきてインストールするだけでかんたんに利用できます。

一方、WindowsでRancher Desktopを使うにはWindows Requirementsにあるように、Windows 10 build 1909以降のビルドとVT-x,AMD-Vのような仮想化支援機能の有効化(BIOSなどで設定)が必要です。ドキュメントには4コアのCPU、8GBのメモリが必要とありますが、筆者的にはメモリーは16GB以上あると良いと思います。

また、Windows版のRancher DesktopはWSL 2を必要とするので、事前にインストールが必要です。 インストールの方法は以下に書かれています。

https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows/wsl/basic-commands#install-a-specific-linux-distribution

基本的にはこれだけでよいはずです。これによりWSL v2の導入と自動的にUbuntuがダウンロードされますが、Rancher Desktopではこの「Ubuntu」は利用しません。

wsl --install

問題なくWSL 2のインストールが終わったら、Rancher Desktopのインストーラーを公式サイトからダウンロードして、インストールします。

rancherdesktop.io

といっても、インストー中になにか設定変更したりするような項目はないので、インストール自体はすぐ終わります。

ウィザートの最後で「Rancher Desktopを実行」にチェックを付けたまま「完了」ボタンを押すと、Rancher Desktopが起動します。

初回は次のような画面が表示されます。この設定はあとから設定変更できますので、例えば次のような感じで設定して「Accept」ボタンを押してみてください。Kubernetesも触ってみたい場合は「Enable Kubernetes」をオンのままにしておきます。

WindowsとmacOSでのRancher Desktopが使えるまでの流れの違い

macOSではQEMU上で軽量なLinuxが動いて、Rancher Desktopはそこで動くDockerやKubernetes(正確に言うとk3s)をネイティブで動かしているかのように見せます。QEMUで「環境」が動くまでに要する時間はほんの僅かです。

Windowsの場合はWSL 2上で軽量なLinuxを動かして、Rancher Desktopはそこで動くDockerやKubernetes(正確に言うとk3s)をネイティブで動かしているかのように見せます。QEMUと比べるとWSL 2上で「環境」が正常に動くまで少々時間を要するので注意が必要です。

また、これは手元の環境で再現した問題なのですが、Rancher Desktopを起動中にさらにRancher Desktopのアイコンをダブルクリックすると、Rancher Desktopが多重起動してしまうという現象が起きました。ただリソースを食い潰すだけだったら良かったのですが、その状態だと Dockerの操作をCLIで実行できなくなりました。

正常に動かすには多重起動してしまったRancher Desktopをすべて終了して、一つだけRancher Desktopを起動します(一度起動するとタスクバーに常駐するので、多重起動にお気をつけください)。

あとはWindows Terminal、コマンドプロンプト、PowerShellなどを使って、dockerコマンドを使って色々実行します。Rancher Desktopは必要なCLIはすべてバンドルされていますので、別途インストールする必要はありません。

ちなみに、初期セットアップ時に「Kubernetesクラスターの有効化、バージョンの選択、ランタイムの選択」を行っても、詳細設定を開けばあと時からその設定を変更できます。

公式ドキュメントのFeaturesのPreferencesのあたりをご覧ください。

まとめ

Docker Desktopは大企業(従業員が 251 人以上、または、年間収入が 1,000 万米ドル以上 )における Docker Desktop の商用利用には、有料サブスクリプション契約が必要になりました(→詳細)。その代替として期待されているソフトウェアの一つがRancher Desktopです。

今回ご紹介したようにWindows 10やWindows 11であれば割と簡単に動くので、もし触ったことがない方はぜひ触ってみてください。ちなみにランタイムとしてDockerdを選んでおけばVScodeとのインテグレーションも、Docker Desktopと同じように利用できますのでご安心ください。

ちなみにアンインストールするときはこんな感じだそうです。

qiita.com

最後に一点だけ、ホームユースでRancher Desktopを使う場合は特に不要だと思いますが、学校とかかなり大規模な企業だとプロキシとか使いますよね。そのような場合は、次のIssueに目を通すと良いかと思います。macOS版、Windows版ともに、Linuxのシェルに入って、その中でプロキシーの設定をする感じになります。

github.com