AWSのコスト気になりますよね、個人で運用している環境だと尚更。ただ、毎日AWSのコンソールにログインしてコストエクスプローラーを眺めるのもそれはそれで結構な負担になるので、AWS CLIでコストを取得して、確認しやすくしてみます。
aws ce
コマンドからコストエクスプローラーをツンツンするにはaws ce
を使うとよさそうです。ceってC
ostE
xplorerか…なるほど…。今回使うコマンドはget-cost-and-usage
とget-cost-forecast
です。
get-cost-and-usage
指定期間内のコストと使用状況のメトリクスを取得します。
以下の3つのオプションが必須です。
--time-period <value> --granularity <value> --metrics <value>
--time-period
オプションはコストを取得する期間を指定します。オプション引数はStart=YYYY-mm-dd,End=YYYY-mm-dd
で、Startに指定した日付から、Endに指定した日付の1日前までを集計します。Endが少しわかりづらいのですが、Start=2023-07-01,End=2023-08-01
と指定したら7月1日から7月31日までが期間となります。
--granularity
オプションはどの粒度で取得するかを指定します。オプション引数はDAILY
MONTHLY
HOURLY
の3つで、DAILYを指定すると指定期間内の1日のコストが指定した日付分取得できます。MONTHLYを指定すると指定期間内の1ヶ月のコストが、HOURLYを指定すると毎時のコストが取得できます。
--metrics
オプションはどのメトリクスを取得するかを指定します。オプション引数はAmortizedCost
BlendedCost
NetAmortizedCost
NetUnblendedCost
NormalizedUsageAmount
UnblendedCost
UsageQuantity
の7つです。どの引数を選ぶべきかは以下のポストが参考になります。ページごと日本語翻訳しても意味は通じると思います。
So, which cost dataset should you use?
If you are a customer who has purchased Savings Plans or Reservations, then amortized costs are most likely the right dataset for analyzing your cost trends. Otherwise, > looking at unblended costs should suit you just fine.
Savings PlansかReservationsを使ってる場合は償却高スト(AmortizedCost)を、それ以外の場合は非混合コスト(UnblendedCost)を使えばよさそうです。
以下のコマンドを実行してみます。
aws ce get-cost-and-usage \ --time-period "Start=$(date +%Y-%m-01),End=$(date -d '1 month' +%Y-%m-01)" \ --granularity MONTHLY \ --metrics UnblendedCost
このようなJSONが返ってきます。
{ "ResultsByTime": [ { "TimePeriod": { "Start": "2023-07-01", "End": "2023-08-01" }, "Total": { "UnblendedCost": { "Amount": "1.2345678901", "Unit": "USD" } }, "Groups": [], "Estimated": true } ], "DimensionValueAttributes": [] }
7/1 ~ 7/31の期間で、全てのサービスの合計が1.2345678901 USD
かかっていることがわかりました。
どのサービスでいくらかかっているかを取得したい場合は--group-by
を使います。
aws ce get-cost-and-usage \ --time-period "Start=$(date +%Y-%m-01),End=$(date -d '1 month' +%Y-%m-01)" \ --granularity MONTHLY \ --metrics UnblendedCost \ --group-by Type=DIMENSION,Key=SERVICE
サービスごとのコストを取得できました。
{ "GroupDefinitions": [ { "Type": "DIMENSION", "Key": "SERVICE" } ], "ResultsByTime": [ { "TimePeriod": { "Start": "2023-07-01", "End": "2023-08-01" }, "Total": {}, "Groups": [ { "Keys": [ "AWS Amplify" ], "Metrics": { "UnblendedCost": { "Amount": "0.1234567890", "Unit": "USD" } } }, { "Keys": [ "AWS Key Management Service" ], "Metrics": { "UnblendedCost": { "Amount": "0", "Unit": "USD" } } }, ...
以下のコマンドで見やすく整形できます。
aws ce get-cost-and-usage \ --time-period "Start=$(date +%Y-%m-01),End=$(date -d '1 month' +%Y-%m-01)" \ --granularity MONTHLY \ --metrics UnblendedCost \ --group-by Type=DIMENSION,Key=SERVICE \ --query 'ResultsByTime[].Groups[].{"Service": Keys[0], "Cost": join(`" "`, [Metrics.UnblendedCost.Amount, Metrics.UnblendedCost.Unit])}' \ --output table
get-cost-forecast
指定期間内の予想コストを取得します。
以下の3つのオプションが必須です。
--time-period <value> --granularity <value> --metric <value>
--time-period
オプションはコストを取得する期間を指定します。オプション引数のフォーマットはget-cost-and-usageと同じですが、Startに指定する日付はこのコマンドを実行する日(つまりdate +%Y-%m-%d
)にあります。Endは同じです。
--granularity
オプションはどの粒度で取得するかを指定します。オプション引数のフォーマットはget-cost-and-usageと同じです
--metrics
オプションはどのメトリクスを取得するかを指定します。オプション引数はAMORTIZED_COST
BLENDED_COST
NET_AMORTIZED_COST
NET_UNBLENDED_COST
UNBLENDED_COST
の5つです。get-cost-and-usageはパスカルケースでこちらはスネークケース……頼むから統一してくれ……。
コマンドの実行方法もget-cost-and-usageとだいたい同じです。
aws ce get-cost-forecast \ --time-period "Start=$(date +%Y-%m-%d),End=$(date -d '1 month' +%Y-%m-01)" \ --granularity MONTHLY --metric UNBLENDED_COST
以下のようなJSONが返ってきます。
{ "Total": { "Amount": "1.23456789012345", "Unit": "USD" }, "ForecastResultsByTime": [ { "TimePeriod": { "Start": "2023-07-01", "End": "2023-08-01" }, "MeanValue": "1.23456789012345" } ] }
Total.Amountをみると今月の予想金額がわかります。
get-cost-forecastには--group-by
はありませんでした。料金だけ取るなら以下
aws ce get-cost-forecast \ --time-period "Start=$(date +%Y-%m-%d),End=$(date -d '1 month' +%Y-%m-01)" \ --granularity MONTHLY --metric UNBLENDED_COST \ --query 'Total.Amount' --output text
まとめ
CLIから料金をみられるようになりました。コンソールにログイン不要なので定期実行しておくか、簡単にとれるようにシェルスクリプトなんかにしておくと、毎日チェックできてよさそうです。サービスごとに料金を確認できるので、知らないところで課金されていても気づけます。AWSは従量課金のサービスなので簡単に料金を確認できると無駄な課金を防ぐこともできそうですね。