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Rancher Desktop 1.13を触ってみる

Rancher Desktop 1.13.1がリリースされていたので、早速触ってみました。 このブログでは久々に取り上げましたが、Rancher Desktopは直近のリリースで様々なアップデートが行われました。

私が気になった機能をピックアップすると、こんな感じです。

1.13

  • WebAssembly/Wasm support (experimental)
  • Support for kind (macOS and Linux only)
  • Support for QEMU on M3 machines (macOS)

1.12

  • Windows WSL InstallationモードにWSLINSTALLEDが採用
  • 新しいWindows tunnelling networkingモードが実装
  • macOSインストーラーにaarch64ネイティブビルドが提供

1.11

  • マシンのスナップショット機能
  • Container Dashboardのアップデート

1.10

  • virtiofs Available on Linux & macOS
  • Windows WSL Proxy設定のアップデート

WebAssembly/Wasm supportは今流行りなので、サポートされるのは良いですね。 Rancher DesktopはネイティブにK8sクラスターを実行する機能は実装されていますが、kindもサポートするようになったようです。

Mac関連だと、最新のApple Silicon M3に対応したのもバージョン1.13からみたいですね。 個人的にはmacOS向けにaarch64ネイティブビルドが提供されるようになったのは良かったかなあと思います。 設定変更さえすればApple Virtualzation Frameworkも対応している点もポイントかもしれません。

ちなみにHomebrewでインストールすると、CPUにマッチしたほうでセットアップできるようになっています。

ツール類のアップデートも適切に行われています。

  • docker 24.0.7 → 25.0.4
  • docker-buildx 0.12.0 → 0.13.0
  • docker-compose 2.23.3 → 2.24.7
  • docker-credential-ecr-login 0.8.0 → 0.8.1
  • helm 3.13.3 → 3.14.2
  • moby/buildkit 0.12.3 → 0.12.5
  • nerdctl 1.7.1 → 1.7.3
  • trivy 0.48.0 → 0.49.1

Docker Desktop Extensionもサポートされているものがバージョン毎に増えていっている印象です。 私のお気に入りは「Log Explorer」と「Resource usage」でしょうか。 名が示す通り、「Log Explorer」はコンテナーのログ表示ができて、「Resource usage」はコンテナーが使っているリソースを表示してくれるのものです。

Log Explorer

Resource usage

コンテナの状態を表示するのはRancher Desktop標準にもありますし、Docker CLIを使っても可能ですが、この2つがあるとよりコンテナの把握がしやすくて良い感じです。

VSCodeとの連携もサポート

このブログの読者であれば、VSCode連携にも興味があるかもしれません。

以前もお伝えしたように、Rancher DesktopはVSCodeの「Docker」や「Dev Containers」拡張に対応しています。 Docker Desktopとの組み合わせと同じ感覚で利用できます。

実はPodman Desktopについてブログを書こうと思っていたのですが、この部分に引っかかってネタをボツにしてしまいました。 Rancher Desktopではきちんと動いたことを最後に報告しておきます。

まとめ

Rancher Desktopは地味ながらも地道なアップデートが続いている印象です。 使う側としては派手なアップデートよりも、ちゃんと動くアップデートの方が重要です。 そういった意味ではRancher Desktopは適切に進化し続けていると思います。

ちなみに筆者はだいぶ前にDocker DesktopからRancher Desktopに乗り換えました。 問題が起きない限りは、これからもRancher Desktopを使っていこうと思います。