今月も Visual Studio Code の新バージョンがリリースされたので、リリースノートを見ていきましょう。
目次
新バージョンのリリース情報
Visual Studio Code のバージョン 1.101 がリリースされました。
主なリリース内容
変更点 | 変更内容 |
---|---|
チャットツールセット機能の追加 | 関連ツールをグループ化できる「ツールセット」が定義可能に。エージェントモードで簡単に切り替え可能。 |
プロンプトへの MCP 対応 | MCP サーバーで定義したプロンプトをチャットで / コマンドとして利用可能に。 |
チャット UX の改善 | ユーザーと AI のメッセージを区別しやすく表示。リクエストの取り消しや添付の操作性も向上。 |
編集の効率化とキーバインドの統一 | 編集処理の最適化により大規模ファイルでの動作が改善。キー操作も整理・統一。 |
インプリシットコンテキストの改善 | 現在のファイルをチャット文脈に簡単追加・削除可能に。ファイル名とカーソル位置のヒントも提供。 |
タスク設定エラーの修正支援 | タスク設定エラー時に GitHub Copilot による自動修正が可能に。 |
カスタムチャットモードの追加(プレビュー) | 独自のチャットモードを作成可能に。ツールや指示のカスタマイズに対応。 |
要素をチャットに送信(実験的) | Live Preview 拡張から Web 要素を選択し、チャットに送信可能に。 |
非公開拡張機能の警告表示 | Marketplace から削除された拡張に警告アイコンを表示。問題の早期発見が可能に。 |
設定検索の AI サジェスト(プレビュー) | 意味ベースの AI 検索で、自然言語から関連設定を提案可能に。 |
Copilot コーディングエージェント統合 | PR や Issue を Copilot に割り当て可能。進捗やステータスも VS Code から確認可能。 |
その他の詳細なリリース内容については May 2025 (version 1.101) をご覧ください。
今月のピックアップ
毎月のリリースを見ていると、GitHub Copilot や MCP(Model Context Protocol)といった生成 AI との連携機能が、ますます主役になりつつあると感じます。
今回のアップデートでは、MCPの対応範囲がさらに広がりました。 MCPとは、AIがユーザーの作業状況を理解しやすくするための仕組みで、ファイルの構成や履歴、チャット内のやりとりといった「文脈情報」をやり取りするためのプロトコルです。 今回は、プロンプトの定義やリソース管理、サンプリング(AI からモデルへの再問い合わせ)といった高度な機能が新たに追加されました。これにより、AIがユーザーの意図をより深く理解し、的確な支援を行うための基盤が強化されました。
また、認証が必要なMCPサーバーへの対応や、開発モードによるデバッグ機能の追加も注目すべきポイントです。 これにより、MCPを用いた拡張機能の開発や運用がさらに現実的なものとなり、開発者自身がAIと連携するエージェントやツールを設計・公開しやすくなっています。
GitHub Copilotも進化を続けており、今回のリリースでは「Copilot Coding Agent」がソース管理と連携し、Pull Requestの作成や進捗の管理を自動的に行う機能が追加されました。 チャットビューでは履歴アイテムをコンテキストとして活用できるようになり、より一貫した会話型インターフェースによる開発が可能になります。
さらに、チャットツールの「ツールセット」機能やカスタムチャットモードの追加により、開発フローに応じた柔軟なAI支援の設計も可能になっています。 AIがただの補助役ではなく、環境設定やコードの修正、機能の設計にまで踏み込んでくる姿勢は、従来の開発環境の枠を大きく超えています。
S Code は、もはや“エディタ”という枠に収まりきらない存在へと進化しつつあります。それと同時に、従来の開発手法そのものを大きく見直す時代に入ってきていることを強く実感します。 久しぶりに、不安と期待が入り混じる感覚を味わっている気がします。